2006年02月07日

さようなら親父 -26-

一連の作業を見守っていると、看護師から「休んでいてもかまいませんよ」と声をかけられた。
「大丈夫です。」と答えたが、私もいつしか眠くなってきた。
血圧も体温も変わりなしということで、特に実家や姉の方にも連絡は入れなかった。
日付が変わる頃になっただろうか。
私もうとうとしていた。
何とか看護師さんの検診の作業の音で目を覚ましたりしていた。
でも、立ち上がろうとせず、腰を下ろしたままだった。
何となく寝ているのが申し訳ないと思った。
父はぐっすり寝ていた。

記憶に有るのは2時頃に看護師が来たときだ。
眠い中で看護師から聞いた話だったが、父が大便をしたという。
実はその日2回目だった。
夕方みんなが帰ったあと、父が何か私に話しかけた。
すでに父はそのとき何を言っているのかわからない。
でもそのときは、小便か大便かというような視線を私に示した。
私はインターホンで看護師を呼んだ。
どうやら、オムツに大便をしたらしい。
看護師に大便をとってもらった。

で、夜中の2時ごろ再び父は大便をした。
この明けた日の夕刻に父は亡くなったのだが、そのときに立ち会った、父の実兄であるおじにこの話をしたところ、おじは冗談とも本当ともつかぬ口調でこう言った。

「人間は死ぬ直前にうんこするそうだ。『切な(せつな)グソ』って言うらしい。」

まさか、父の死後で悲しんでいるときなので、冗談ではないとも思ったが死んでいく人が大便をすること、それが切ない別れの大便だということで、何か真実味を感じた。
2度の「切なグソ」。
posted by センセイジンゴ at 08:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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